サッカーの年代別では「第2種」と呼ばれる高校年代のサッカー。
Jリーグクラブは育成下部組織が備わっていることが絶対条件とされ、Jクラブが増加すると共にユースチームも多くなっていますが、
日本サッカー史において2種年代の中でも高校サッカーの歴史はとても深く、冬のスポーツシーンにおいて風物詩ともいえる高校サッカー選手権大会は97回を数えました。
世界のサッカーをみても、学校という教育現場で行われる「部活」は非常に特殊な形態とされており、独自に創られてきた歴史を持って日本サッカーは成長を遂げてきました。
プロで観て感じるサッカーとはまた違った魅力のある高校サッカー。
日本サッカーを観る上で欠かせない高校サッカーの楽しみ方をご紹介します。
目次
1年単位でチーム力に変化がある「一期一会」限られた時間での成長と儚さ
高校サッカーの最大の醍醐味は、その一年に限られた時間という点です。
歴史を重ねてきた強豪高校にはブランド力があり、多くの有望選手が集まってくるものですが、
どんな結果であってもどんな戦力であっても時間が経てば学年が上がり戦力が引退という形で流出し、新学年を迎え新たな有望選手たちがたくさん入学してくることになります。
高校のサッカー部は強豪チームで100名を超える部員を要していることも多く、競争は熾烈で常に出場できる選手たちは流動的。
卒業生と新入生が必ず存在し、前のシーズンとまったく同じ顔触れに絶対にならないのが高校サッカーです。
強豪チームで人数が多ければ多いほど、3年間続けて試合に出場し続けるのはとても稀なことで、前年に活躍していても、次の年にはメンバー外であることも多くあります。
限られた1年というシーズンの中で、ニューヒーローを見つけることも高校サッカーの楽しみ方でもありますし、
3年間という高校サッカーができる時間の中で、チームが選手がどのように成長し、どんな結果を持って、引退していくのかというところも注目ポイントです。
高校サッカー最高峰「全国高校サッカー選手権大会」負けたら終わりの憧れの舞台
高校サッカーの中で大きな大会といえば、年間通してJクラブユースなども含めてリーグ戦で戦う高円宮杯プレミアリーグ・プリンスリーグ、夏の総体(インターハイ)、
そして全国中継があり注目される高校サッカー選手権大会があります。
なんといっても注目度が高く、どのチームも一番力を入れて総力で戦うこととなるのが全国高校サッカー選手権大会、通称「選手権」と呼ばれる歴史ある大会です。
全国の頂点を決める決勝の試合には、5万人を超える観衆が集まり全国中継されるなど注目度が非常に高く、多くの日本を代表する選手たちもこの大会で結果を出しプロの道で活躍するなど、
日本サッカー界憧れのピッチといっても過言ではありません。
全国42都道府県から代表を決める激戦の予選を戦い抜き、頂点を決めます。
注目されている大会だけに多くのメディアでも取り上げられるので、そういったところで大会に懸ける日々の中に存在した背景や人間模様などを見て読んで
試合を観ると、さまざまな感情を持ちながら高校サッカーを楽しむことができるでしょう。
それぞれの進む進路や前所属、出身地、卒業生で観る高校サッカー
高校サッカーを楽しむ入口として一番入りやすいのが、自分の出身地や住んでいる地域の代表となった高校の応援、
自分の応援している現在Jリーグや海外で活躍している選手や注目している選手の出身校を応援するなどです。
高校選手権は冬に行われるのでJリーグクラブ内定選手も多いため、自分の応援しているチームに加入する選手の応援に駆け付けているサポーターも多くいます。
高校サッカーで観て、この選手は注目したい!と思った場合はその後の進路に注目し、プロ入りをしなかった選手は大学サッカーにてその姿を確認するなど
進路にも注目してその後を見守るのもひとつの楽しみ方です。
学校生活を送りながら、部活に励む貴重な3年間を送る高校サッカー。
同じ年は二度とない、その年だけに限られたメンバー・戦力で戦い、その中で伝統を引き継ぎ多くの仲間やライバルとの競合を経て
思春期を大人に向けて進んでいきながらサッカーで戦い、学ぶ。
魅力ある高校サッカーの世界を是非、楽しんでみてください。