2019年2月22日―。
今年も幕を開けるJリーグ。
Jリーグは、欧州や南米リーグの歴史に比べるとまだまだ浅いとはいえ
プロ化してから急成長してきた日本サッカー。
なかなか出場することができなかったW杯出場を一度決めると、そこから現在まで6大会連続で出場を重ね、海外でプレーする選手たちが増え、世界で日本人選手が評価されることも珍しいことではなくなりました。
かつてピッチの上で大勢のサポーターからの応援を受け活躍した選手が、現在は監督として指揮をとることも珍しくはなくなったほどの時間を重ねてきたJリーグは今年、27シーズン目を迎えます。
世界のスターたちが、スペシャルなプレーを魅せる欧州のサッカーも良いですが日本に在る、足を運ぶことができ、声を届けることができる、仲間たちと共有することのできるJリーグには、Jリーグにしかない魅力があります。
それを心の底から感じ、知っているのは多くのJサポーターたち。
シーズンが終わると、達成感や結果による歓喜や悲しみ、悔しさ…さまざなな感情を、それぞれのチームの応援するサポーターたちが抱き、戦った一年を終えます。
どんな感情であっても、仲間たちとまた来年と誓い合い、次のシーズンを見据えることでしょう。
振り返り立ち止まりあんなこともあった、こんなこともあったと笑い、時に悔しみ反省しながら、お酒を交わしたりして忘年会をしたサポーターも多いでしょう。
シーズンオフには出会いと別れが待っています。
チームに必要な主力選手や重要なベテラン選手が出場機会やステップアップを求めて移籍したり、
自らのサッカー人生に幕を閉じることを選択する選手もいます。
何年経っても、何度も経験しても、その悲しみに慣れることはなく、共に戦った選手との別れは忘れられないものになります。
ライバルチームや因縁のあるチームであっても、移籍を経て加入したり、プロサッカー選手としてスタートする期待の若い選手が加入したりと新たな出会いもあります。
どんなに良い人柄でサポーターから愛されていても、結果を残すことができなかった場合は去ってしまうこととなるのがプロの宿命である監督。
新たにチームを率いてどんなチームにしてくれるのかという期待でいっぱいの出会いをする監督。
別れと出会いを経て、チームが始動。
一年として全く同じメンバーでサッカーをすることができないのが、プロサッカークラブの使命。
新たな選手やスタッフを加え、今季のチームが始動するときには、いつでもピリッとした気持ちが張りつめるものです。
公式戦はなくとも、チームのキャンプでの様子や練習試合の結果、出場メンバーなどをSNS等でチェックしながらJリーグ日程を待つ日々。
スマホのカレンダーを見て待つ人、チームカラーの手帳を買って待つ人…まだかまだかと発表される日程を待ったと思います。
開幕カードが発表され、2月22日金曜日にフライデーナイトJリーグで開幕することが決まりました。カードはセレッソ大阪×ヴィッセル神戸。
Jリーグが世界に注目されるイニエスタ・ポドルスキ・ビジャを有するヴィッセル神戸を
新生セレッソ大阪がホームで迎える一戦を皮切りに、J1/J2リーグがスタートします。
その後、少し開けて全日程が発表されカレンダーとにらめっこした人も多いはず。
今年はどの試合に行けるかな、どの相手との試合に行けそうかな、どのアウェー遠征に行きたいな、どの試合が重要になるかな…
さまざまな想いを膨らませて全日程とカレンダーを照らし合わせながらスケジュールを考えるのは、サポーターにとって「遠足の前日」のような気持ちになりますよね。
昨季は、一年の漢字が「災」が選ばれたほどに、災害の多い年となってしまいました。
昨年7月、広島や岡山を襲った平成30年豪雨。
9月には今世紀最強とまでいわれた台風が大阪を襲い、同じく9月には北海道を胆振東部地震が襲いました。
災害によってまたしても犠牲者が多く出てしまい、ライフラインが遮断され建物や公共物など多くの被害が出てしまいました。
そういったときに、手と手を取り合いすぐになにかをしなければと手を上げ取り組むのがJリーグの輪です。
各クラブが募金活動などを開始し、選手たちが先頭に立って復興を目指し呼びかけたり、手を差し伸べてサッカー教室が行われたりとJリーグの輪を改めてあたたかく感じた年でもありました。
ピッチの上では敵同士だったり、普段はライバル同士であっても、困ったときは無条件で手を差し伸べる。そんなあたたかさがたくさんの人々を助け、希望を生んだことでしょう。
1993年、開幕したときには10チームでスタートしたJリーグも
27シーズン目の今年は55チームまで増えました。
日本全国55チームもチームがあっても、なにかあればひとつになれる。
それが、Jリーグの素晴らしさであり、誇れるところでもあります。
多くのサポーターがJリーグを理由に、日本全国を旅してまわり
その土地の文化や食に触れ、知る。
訪れたことで、その地が知らない土地ではなくなり、自然と親戚を訪れたようなそんな知っている地に変化していきますよね。
ひとつの試合に一喜一憂し、全力で目の前の試合に向かう。
本気で叫び
本気で喜び
本気で悔しく
本気で泣く
そんな時間がやめられない。
そんな最高な日々がまた、やってきます。
時には、目を伏せたくなることもあるでしょう。
時には、悔しみが憎しみに変わるような怒りを覚えることもあるでしょう。
良いことばかりではありません。
納得のいかないことにも多々ぶつかります。
そんな感情が生まれるのもすべて、Jリーグを愛するから。
開幕まで、どんな時間を過ごしましたか?
スタジアムへ向かう準備はできましたか?
二度とない瞬間を共有しに行きましょう。
2019.2月
27シーズン目のJリーグ、スタート。