サッカー関連

コーチ目線で子供にサッカーを教える「こと」について考えてみた。

おはこんばんちわ。やなぎ(@f_kablog)です。

私は2歳になったばかりの息子ちゃんがいます。

サッカー好き、フロンターレ好きの私の影響で、息子もサッカーという「遊び」を認識しており、公園に行くたびにボールを蹴って遊んでいます。3歳になったら少年サッカーのキンダーチームでチームスポーツを体験させてあげたいなぁなんて思っているのです。

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今日の記事はコーチ目線で考える、子どもにサッカーを教えることについて書いてみます。



やなぎの少年サッカー時代を振り返ってみる。

スポーツをしているお子さんに「もっとこうすればいいのに!」とヤキモキした経験を持つ親御さんは大勢いらっしゃるかと思います。

所属チームのコーチからは「お子さんのプレーに注文をつけないでください!」と釘を刺されているので、ぐっと我慢してプレーを見守る親御さん。

しかし試合中のコーチは「サイドを変えろ!」、「スペースを埋めろ!」、「クリア!」と次々に指示を飛ばしています。

「指示通りに動いて子供たちはつまらないんじゃないか?」
「保護者には”教えるな”と言っているが、自分は選手をロボットのように扱っているじゃないか!」
「こんなクラブに自分の子を預けておけない!」

このようなトラブルは少年サッカーの現場ではしばしば起こっています。というか自分も6年間少年サッカーをやっていたのですが、実際にコーチ陣と子ども達の保護者(両親)とで意見の相違はあったと認識しています。

ただのコミュニケーション不足でしょうか?

これからサッカーの指導を始める方に向けて『教える』とはどういうことかを
中心に解説していきます。

サッカーを教えるメリットとデメリット

『教える』とはそもそも何でしょうか?

辞書で調べると、『知識や技能を身につけるように導く』 とあります。しかし『教える』は、もう一つの意味の『授ける』というイメージが強い気がしませんか?教師と生徒、師匠と弟子のような関係性です。

サッカーで『教える』を定義すると、『知識や技能が獲得できるように導くときもあれば、授けるときもあるよ!』と言い換えられるかもしれません。
玉虫色の答えですが、選手の個性や成長段階に合わせて、『教える』意味は変化します。
選手の個性や成長段階を無視した『教える』は、選手の成長スピードを鈍らせデメリットになります。反対に個性や成長の欲求段階に見合った『教える』は、選手にとってメリットがあるでしょう。ただし、結果として指導者自身が選手に与えたメリット・デメリットの影響を知る術はないといえます。

なぜなら、指導した選手がプロ選手になっても、反対にサッカーを辞めてしまっても自分の指導がどのように影響を与えていたのかを正確に測ることができないからです。

サッカーはどうやって教えるの?

コーチの中には「基礎が大事!」という基礎練習信者や、「サッカーは自由だ!楽しめ!」という放任主義の人達がいます。どの指導者にも理想とするプレーモデルがあり、そこへ導く方法論に正解はないのかもしれません。

しかし指導者がサッカーをどのように理解しているかによって、基礎練習信者や放任主義者は偏った考えを持った指導者になる可能性があるので注意が必要です。

やなぎ
やなぎ
私の父親も、コーチの資格を取って教えてくれました。どちらかと言うと「放任主義」、他人に迷惑が掛からないなら自分で考えて好きにやってこい派でした。今思えば、人格形成というか私の性格に影響はあったと思っています笑

サッカーが上手くなるために一番良い練習をご存知でしょうか?
答えは「11 vs 11」のゲーム(試合)です。サッカーの本質はサッカーのゲーム性の中にしか存在しないからです。いつでも試合ができればいいのですが、そういうわけにもいきません。そこでサッカーで起こり得る事象を切り取り、サッカーの一般性(原理原則や普遍性とも言います)の理解をベースにした技術の獲得を目指します。(技術というとボール扱いを連想されることが多いですが、テクニック、判断力、戦術、戦略、知識、フィジカルなどの全ての要素を指しています。)それらをメニュー化したものがトレーニングです。

メニューは、検証(試合)→分析→トレーニングのサイクルで組み立てます。個性や成長段階に合わせてコーチングをしながら、指導者が目指すプレーモデルを落とし込んでいきます。

ロジカルコミュニケーションを駆使して選手に気づかせる場合もあれば、デモンストレーションを見せて端的に説明するときもあります。

結局サッカーって何なの?

サッカーの試合中は一般性(原理原則や普遍性)特殊性(偶然性や選手個々の能力に左右される事象)が入り乱れて、混沌としています。結果に対して幾つもの要因が複雑に絡みあっています。そのような特徴から、トレーニングによる再現性を試合では期待しすぎない方が良いでしょう。
トレーニングの意義は特殊性を含めたサッカーの本質を理解することで、能動的に個人やグループでゲームに勝つための知恵やスキルを磨くことにあります。

基礎練習は実戦を想定したマインドセットが必要ですし、相手という概念が未熟な年代に「自由にやれ!」は乱暴な指導と言えます。指導者はトレーニングの中でサッカーというゲームをどう理解させるかが最も重要なミッションになります。その為には指導者がサッカーをとことん突き詰めて考える必要があるでしょう。

まとめ

『サッカー』というゲームを少し掘り下げることで、『教える』ことの本質が見えてきませんか?指導者の理解の仕方で、教えることはメリットにもデメリットになります。
サッカーは相手ありきのゲームで、同時に幾つもの情報を処理しなければなりません。

選手が効果的なプレーを選択できるようにするには、様々な『教える』が必要になってきます。
『教える』に正解はありません。選手がよりサッカーを好きになれば、それも一つの正解かもしれません。

コーチがサッカーを深く理解する努力をすれば、保護者を含めたコミュニケーショントラブルは起こりにくくなります。選手と一緒にサッカーを学び、生涯スポーとしてサッカーを楽しみましょう!

以上、やなぎでした。